PROFILE

市田文子経歴
1992-1995 パリ工芸美術製本専門学校(U.C.A.D.)で製本を、ヴェジネ市立製本学校(A.A.A.V.)で製本と書籍修復を学ぶ。
帰国後、2000年に兵庫県芦屋市でルリユール工房「アトリエ・アルド(atelier ALDE)」を開き、ルリユールの注文制作の他、ワークショップ、製本教室を開催している。

relieur

もう二十年ほど前の事になるが、パリの製本学校の入学申し込みをした時、私がルリユールについて知っていた事とといえば、「本をかがり直して革で表紙をくるむ製本」というような漠然としたものであり、ルリユールについてのイメージも知識もほとんどなかったように思う。
ネットもない時代であったという事もあるがフランス語も堪能という訳では全然なく、そういうわけで単に読書好きというだけでいきなりフランス製本と接することになった。
この文化的な衝撃は大きかった。
「革の本」への憧れのようなものはもちろんあったが、それにも増して実際に習い始めて魅了された事の一つに「仮綴じの本」を分解してかがり直すという工程がある。
その工程の間、製本する主体(私)は、本自体の持つ手触りと、本の姿に直に接することになる。そして、かがっている間中、本文紙に使われたオランダ紙やアルシュ紙のふっくらと柔らかな感触と十分な余白を持った活版印刷で刷られたテキストに挟み込まれた版画を楽しむ事ができる。
つまり、本自体がルリユールされるために作られたといえる本の文化がそこにはあった。
そうして私は、ほぼいきあたりばったりにルリユールに嵌ったのだった。

連絡先)
市田 文子atelierALDE
atalde.jp
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Exhibition

2016.11.8~11.19
レ・フラグマン・ドゥ・エム作品展「書物への偏愛」
ギャラリー「時の忘れもの」青山/東京
2015.10.10~10. 31
ARTS POUR BIBLIOPHILES 「書架彷徨」
galerie L’oeil (ギャラリーロイユ) 神戸
2015.6.20
ヴァチカン教皇庁図書館展Ⅱ 関連イベント・製本デモンストレーション
Les fragments de M「中世から引き継がれる伝統ーヨーロッパの美しき製本」
印刷博物館 東京
2015.4.24~~4.29
「市田 文子 ルリユール展(Exposition de la reliure d'art) 」
GALLERY4 /神戸
2012.5.10~~6.9
「森羅万象ミクロコスモス ー Les fragments de Mの試み」
ギャラリー册 九段
2012.11.17~11.19
Les fragments de M「書物への偏愛ー書物の源流を辿って」
広尾YYZ
2013.6.15 6.22 6.23
Les fragments de M「書物への偏愛ー出版人と読者の熱情」
広尾YYZ
2013.8.30 9.6 9.11 9.28
Les fragments de M「書物への偏愛ーEdition de Luxe テクスト・挿画・ルリユールの融合が生む書物の美」
ワールド・アンティーク・ブック・プラザ 丸善日本橋店
2008.3.12~3.14
国際稀覯本フェア 日本の古書・世界の古書
東京国際フォーラム International Antiquarian Bookfair
2007.6.1~6.30
アトリエ・アルドの限定本「中原中也詩集」の刊行
限定本とルリユールの饗宴「中原中也を綴じる-テクストと繋がるルリユール」
アトリエ箱庭
2005.11.22~11.27
アトリエアルド製本教室:造本・製本展「増殖するページ」
ギャラリー ミウラ
2004.10.26~10.31
市田文子ルリユール展「書物のつくり- Texte, Corps d'ouvrage, Structure」
GALLERY 北野坂 神戸
2004.1.28~3.28
Air Neuf「金と銀」のルリユール展
Bibliotheque hisitorique de la Vill de Paris
2002.9~28~2003.1.25
国際ルリユール展"Il Cantico delle Crearure"
マチェラータ、アッシジ、イタリア「100人のマエストリ」選出
2000
エストニア国際製本展
Scripta Manent ll premium 入選 エストニア
板倉正子・市田文子2人展「本工房から」展
セルフソウ・アートギャラリー 大阪
1998
国際ルリユール展「インフィニート」「100人の匠」に選出
マチェラータ、イタリア